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090415編集

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■Japanese skilled labor shortage

こちらの小論 は昨年6月に書かれたもののようだ。自動車など輸出産業や雇用市場が深刻な不況に見舞われている現下の日本経済にとって、熟練労働力不足とはどこの話かといわれそうだが、株式市場において気のはやい人たちが元気を回復してきた感のある昨今、そろそろ長期トレンドで見たこの国の宿痾をかんがえてみてもよいであろう。

論者のNicholas Engler氏は、日米の労働事情を比較するなかで、日本に熟練した技術労働力が不足している背景をのべている。いわく、少子高齢化による人口減、30代を中心とする頭脳流出、ジェネラリスト指向教育の現実とのミスマッチ。同氏は結局、海外の優秀な人材を学生段階から導入しているアメリカをモデルとするよう推奨している。

提案の当否をここで検討するつもりはない。が、すくなくとも今現在満足のいく就業状態にない若中年層は、さらなる発展あるいは自衛のために、より一層の専門知識・専門技術を身につける必要があり、その能力の基盤として、語学とITの力量蓄積が求められている点を指摘しておきたい。がんばれ。

2009年4月 2日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■ポールソン前財務長官の不思議

AIGのボーナス支給が話題になっている。国に救済された同社が一人前に高額なボーナスを出すのを止めようと、オバマ政権が懸命になっている。もとはと言えば、昨年秋同社に資本注入して国有化したときに、時の財務長官ポールソン氏が従業員ボーナスに条件をつけるなどしていれば何も問題はなかったはず。なぜそうしなかったのであろう。ウォール街そだちの彼が気がつかなかったとは思えない。

かれについては、すでにたくさんの人が疑念を呈している、もう一つ疑問がある。なぜリーマンブラザースを救けなかったのだろう。救済していれば、今次金融危機の規模もずっと小さくなって、AIGがCDS(Credit Default Swap)負担から国有化の淵に沈むこともなかったのではないか。

ポールソン氏はゴールドマンサックスのトップ?からブッシュ政権入りした人。そのかれが「リーマンだけは救済するわけにいかない」と主張していたそうだ。リーマンブラザースは当時の米投資銀行業界における暴れん坊の成長企業であった。サブプライムローンの証券化業務でもリーマンは冒険的な挑戦をつづけていたと思われる。そのCEOが業界内でゴリラといわれたファルド氏。想像するにいろいろな集まりで両者は顔をあわせたに違いない。「もう少し慎重にすすめませんか」「いや」・・・などと意見の交換もあったかもしれない。

財務長官にとって許せないのはファルドCEOとリーマンブラザースなのであって、AIGについて他意はなかったから半年後のボーナスに口をはさむ気など毛頭なかった、とみている。企業小説家やもしかしたら経済史家がいずれ真実に迫ってくれるであろうが、大きな歴史の転機となるのは資本や経済の論理のしからしむる所というよりは、案外人間くさい次元に発するもののように感じている。


2009年3月17日 (火) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■NY市場にほの灯りか

6000ドル台の半ばをみてきたダウがスルスルと7200ドル台までもどった。それもきつい下げ相場のあや戻しではなく、一時的にもせよ根拠あるもどりであったようだ。

Investors See a Glimmer and Shares Soar Worldwide によると、GEの格付けのダウン幅がわずか1ノッチですんだし、商務省発表の2月の小売り業売上の低下も意外にわずかですんだとのこと。予想が悪かっただけに朗報であり、さらにシティグループ、JPモルガンチェイスの楽観的見通しに次いで、バンカメが1〜2月に利益を計上、これ以上の政府支援は不要になるかもしれないとの発言もあったらしい。

市場関係者の意見はわかれているようだが、投資家心理が若干上向きはじめるかも知れない。まだ、自動車産業の問題や住宅価格低下がつづいているので様子をみないとはっきりしないが、もともとアメリカの実態経済が日本ほど落ち込むことは考えにくいので、何カ月かで冬がおわると期待してもよいのではないか。

他方日本ではこの春雇用情勢が一段と悪化すると予想されている。

2009年3月14日 (土) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■自己への投資の時代

合理的な生産・流通プロセスによって大きな儲けをえられる産業にカネもヒトも集まっていく。こういう流れが国のいたるところでダイナミックに起きることによって一国の産業構造は進化(高度化)していく。日本の産業構造がいちじるしく輸出産業に依存するようになったのも合理的な選択の結果といえる。

だがひとたび輸出先が経済不振になると大きなシッペ返しが襲ってくる。外部の環境に適応しすぎたということか。われわれはいったん前にもどって過剰な適応を修正することになるだろう。修正の第一は外需にかわる内需を生み出すこと、第二は円安による輸出ドライブと輸入障壁という安穏な生活をすてて敢然とあたらしい環境に飛び出すこと。しかも二つの修正は同時におこなわれなくてはならない。

われわれにはそれに堪えられるポテンシャルがあるだろうか。すくなくとも太平洋戦争後の経済を引っ張った父祖にはポテンシャルがあった。だからたかだか数十年で世界第二の経済大国といわれるまでになった。われわれがその血をひいていないはずはない。でも、父祖伝来のポテンシャルを具体的実力に転化するものが必要だ。

そんなことを考えていたら、経済学者野口悠紀雄さんの一文 にであった。氏は教育場面での、国語・数学・英語の重要性について言及しておられる。学校を巣立った若い世代にも応用できるアドバイスだ。筆者はこれにITの知識・スキルをくわえたい。ただ携帯を器用に使いこなすだけではダメなんだな。

2009年2月25日 (水) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■100年に一度というが

このところ引っかかっていることがある。ずっと誤解していたのだが、アメリカFRBのグリーンスパン前議長が言ったのは「100年に一度の大不況」ではなかったのだね。言ったのは「100年に一度の金融危機」、「100年に一度の津波」。

たしかに、経済ニュースゼミ などをみると、昨年第4四半期のGDPの落ち込みは日本・韓国が大きいのに対し、肝心のアメリカは意外に小さい。もちろんまだ不況の序の口だから、これから日本みたいに大幅な落ち込みになる可能性なしとしないが、もともと国民の財布のヒモがきつくなれば、主として外国からの輸入が減る国だから、案外国内需要の落ち込みは小さいままに推移するともいえる。

それかあらぬか、いまアメリカで意見がわれているのは、銀行の国有化・半国有化の是非と住宅ローン返済への国家支援の是非だそうだ。自動車産業への支援も業界の自助努力の結果に応じて行われるという睨み合い状態であって、広範な産業救済とはちょっと色合いが違う。大不況入りの直前にしては緊迫感がうすいのだ。

結局アメリカ等への輸出だのみの日本・韓国、さらには多分中国が真っ先に本格的不況に入り込んだということのようだ。産業構造を変えないといけないなとつくづく思う次第だ。


2009年2月23日 (月) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■簡保の宿は「バルクセール」の一種?

簡保の宿の一括売却が白紙撤回になって、すでに旧聞に属する話題だが、あれはバルクセールだったそうだ? バルクセールとは不良債権を束にして叩き売りにするという、十年ほどまえの金融機関受難時代に多用された整理方法だ。買い手にまわったのが、名高いハゲタカファンド(正しくはヘッジファンド)。

何百何千という一群の債権をリスク別におおざっぱに区分けしたリストを買い手にわたして、資産査定してもらい、売買する。買い手の応募は通常4、5社の入札による。中味がよくわからないから当然買い手は目一杯買いたたく。それでも売るのはメリットがあるから。メリットの第一は損失額が確定し、それ以上の損失発生を心配しなくてよいこと。損といっても約半分は税金の減少で穴埋めできる。メリットの第二は(人の話によれば)闇の勢力などいわく付きの不良債権をリストにしのびこませて、処分できること。

買い手のヘッジファンドはたいてい傘下に債権回収業者をかかえている。回収業者は曰く付き不良債権の回収などははじめからする気はなく、比較的回収可能性の高いものに限って債務者から取り立てたり、債権を転売したりする。それで十分おつりがくる儲けがでたそうだ。

簡保の宿に登場した人物たちはこういう世界を生きぬいてきた。今回に限っていえば比較的良質なバルクセール案件なのに鳩山さんは何故反対するのかと、合点がいかなかったろう。いわば国有財産の払い下げであったから、バルクセールの感覚はやや先鋭にすぎたということのようで。


2009年2月19日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■市場の催促

アメリカの金融安定化法が成立したというのに市場の反応がどんどん悪くなっている。下向きの実態経済を織りこんでいる面もあるだろうが、安定化法の中身がはっきりしないことへの苛立ちが招いている面も大きいらしい。

いま、この記事 をもとに、たとえば簿価100ドル、時価30ドルの不良債権をおもいえがいてみる。”資産価値が5年で回復しないときは政府は金融機関に補填を要求できる ”、ということからみると、たとえ100ドルで売買がすんでも5年後の時価が30ドルのままだとすると、金融機関は結局70ドルの損を負担することになり、時間の猶予をのぞけば特段の救済を受けたことにならない。(政府の財布はほとんど傷まないのだ。)

ことはそれだけではない。金融機関は将来の補填にそなえて幾ばくか例えば毎年14ドルの引当てを積まなければならない。当然当期の損失であり、自己資本は14ドル分毀損される。不良債権の政府移管がすすむにつれ、いずれこの金融機関の自己資本は底をつく。ここで公的資金の資本注入が必要になるのだが、7000億ドルの原資を「不良債権買い上げ」とは異なる資本注入に充当してよいのだろうか。

とまあ少し立ち入って考えてみるだけで、同法が救済策としていかに曖昧かががわかる。市場の反応は理解できる。

だが、法律の目的はシステミック・リスクの軽減にあったはず。大衆の反発をかわすための苦肉の策であのような表現になったが、時期をみて市場の不安をやわらげる方向の指針があきらかにされると見る。ただし、11月4日の大統領選挙、上下両院の選挙がすむまでは、明確な救済細則はあきらかにならないのではないかな。市場がもっと我慢強くなるとよいのだが。

2008年10月 8日 (水) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■263対171票

金融安定化法案がやっとのことで下院を通過した。意外な大差がついたが、これには訳がある。反対派議員を慰撫するために、1100億ドルにのぼる減税(個人向け減税+企業向け優遇税制)をセットにしたそうだ。

財源は米国債の増発によるほかないだろうし、それに安定化法の使い勝手が悪い面の認識もひろがっているみたい。結局ダウの終値は157ドル下げた。

下院通過の記事(朝日)

2008年10月 4日 (土) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■下院否決、石頭なりの思案所か

金融安定化法案  否決の記事

楽観視されていた7000億ドル金融安定化法案が下院で否決されてしまった。あわてたNYSEでは770ドルもの大幅下げとなり、今日の東京もいま 500円ほど下げている。両院の銀行委員会を中心に政府との妥協案ができていたのに、その他議員が反乱をおこした感じだ。反乱議員の中心は共和党、それに若干の民主党議員もくわわった。

反対理由の第一は、やはり庶民の払う税金でウォール街の富裕族を助けることへの抵抗感だ。第二に、民衆の反対デモをみて救済案の必要性を説く自信がないこと、第三にGMなど自動車産業への政府援助がたった300億ドルであったこと、第四に今秋下院議員の全員と上院議員の1/3が選挙を迎えることが大きいであろう。

さすがに、いかに保守的な地域からの選出議員の石頭といえども、金融危機が経済危機につながり、やがて世界恐慌を招く危険性は十分わかっているから、選挙民との板ばさみのなかで懸命に思案したのではないか。

まず、いったん否決という庶民理解のアリバイをつくっておいて、その後証券市場など世間の反発を材料に選挙民の説得にあたるという作戦にでたのではないだろうか。ま、想像でしかないが、。

いずれにしても、政府・FRBが事態をこのまま放擲するわけにはいかないから、何らかの新妥協案が作られるであろう。試合は延長戦にはいった感じである。

なお、議会と大統領の不思議な関係は、この記事 から想像できる。

2008年9月30日 (火) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■金融安定化法案

救済プランもの別れ-(AP)

米政府が7000億ドルを拠出して金融機関のかかえる不良債権を買い上げるという金融安定化法案の策定作業に時間がかかっている。東部時間26日現在議会筋の合意が得られていない。予想どおり上下両院を通じて共和党議員がクレームをつけているそうだ。ポールソン財務長官とバーナンキFRB議長の説得では足りなくて、ブッシュ大統領までが調整に乗り出している。金融危機の不安をしずめる絶妙なプランと思われているだけに関係者も気が気でないだろう。

共和党の石頭対策が問題だ、と前から思っていたが想像以上にしぶとい。同意を得られたのは、財務省の買い入れ権限は当初2500億ドル、のち必要な場合追加1000億ドルというもの。政府提案7000億ドルの半分しかないというのだから驚く。まあ、民主党によれば話し合いは前進しているというから、強力な説得が続いているのであろうが心配なことだ。

反対の急先鋒はアラバマ州選出のシェルビー上院議員とのこと。国民の税金をウォールストリート救済に使いたくないというのが根本にあるのだろう。

アラバマ州というと、8年まえのブッシュ対ゴアの大統領選ではっきりと識別できた「赤いアメリカ」に属する州だ。東海岸・西海岸の進歩的な「青いアメリカ」に対抗する保守的な地域という観念がますます強くなってしまうな。

2008年9月27日 (土) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■サブプライム損失

IMFは今年になって三度表記について世界の損失額の見通しを発表している。
・4月 国際金融安定性リポート     9450億ドル
・9月 リプスキー副専務理事     1兆1000億ドル
・9月 ストロスカーン専務理事    1兆3000億ドル(※)
   ※記事

急増ぶりに驚く。ただし、IMFというのは自身の存在価値にこだわる国際機関で、大騒ぎを好む体質のようなので注意をしつつ見る必要がある(ノーベル賞学者スティグリッツも批判していたと思う)。10年まえのアジア通貨危機の際にインドネシア政府に無理難題を要求し、押し問答をつづけるうちに火がおおきくなって、ついにはロシアのルーブル危機、LTCM倒産にまで及んだことは記憶にあたらしい。(参照:竹森俊平「1997年世界を変えた金融危機」)

2008年9月26日 (金) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■嵩上げされる数値

今回の金融危機に関して、もともとのサブプライムローンは1兆2〜3千億ドルだが、それから生じるいわゆる金融派生商品が数十倍あるから、これからどんなことが起きるかわからない、という言い方がある。ボンヤリ聴いていると、今後数十兆ドルもの債権が焦げ付く可能性があるように聞こえてしまう。発言者は自分では気がつかないうちに狼少年の役割を演じているように感じる。

数字が大きくふくらんでしまう理由は二つあるのではないか。一つはダブルカウントなどの重複計算だ。原債権を証券化して、RMBSやCDOがつくられる。それを買い取った金融機関がそれらを種に他の債権やいろいろデリバティブを付加して第二次の証券を組成して、市場に販売する。こうやって、第一次商品、第二次商品、さらに高次の商品が多重にカウントされているのではないか。

二つめはデリバティブ特有の問題。本来リスクをヘッジするために売買されるものだから、機関投資家などは買建、売建の両建てのポジションをはり、このネットの差額こそが投資家の背負うリスクなのだが、一般に市場規模などをあらわすときに買建の合計や場合によっては買いと売りの両方の合計金額を使ったりしたように記憶する。

以上二つのことから、何十兆ドルというのはだいぶ嵩上げされた数値だと思う。また、デリバティブをどう駆使してもリスクの総量は変わらない、ただリスクの配分が変わるだけ、と聞いたことがある。

素人がいってもしようがないが、問題はサブプライムが1兆2〜3千億ドル、準じて低信用度のオルトーAが約1兆ドル、それにホーム・エクィティ・ローン多分1兆ドル以上、を加えた核心の部分の動向をしっかり抑えておく必要がありそうだ。そして、最大の関心事は世界の景気の行方なのはまちがいない。

2008年9月22日 (月) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■腹をくくる秋(トキ)だ

大変な日曜(米東部時間)だった。全米第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズが倒産し、第3位のメリル・リンチがバンカメに吸収された。これらに加えて、世界1位の保険会社AIGが一時的な資金不足になり連銀から借入れを交渉中だという。

今春第5位のベア・スターンズがJPモルガンに買収されているから、もう大証券会社はゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレイ(?)ぐらいしか残っていない。それもこれもサブプライムローンがらみの金融商品が原因でおきたこと。むかしから言われていた証券化の行き過ぎがもたらした人災だな。

しかし危険を覚悟でいえば、いまだ金融機関に問題含みのところがあるかもしれないが、長かったサブプライム問題もようやく終幕ちかくに辿り着いたということなのだろう。次の問題は深刻化してきた米経済、その余波をうけた世界経済の不況入りのほうだ。あのジェネラル・モーターズまでもが政府に資金援助を要請している。

アメリカの誇る産業といえば、金融産業、軍需産業、宇宙・航空産業、コンピュータ産業にくわえて、自動車産業が入っていたものだが、すでに自動車が脱落、金融がちょっと微妙な感じになってきたことを太平洋のこちら側の人たちはどう受け止めるのか。いやそれ以前にアメリカの人たちが地盤沈下の現実を素直に理解できるのかな。

150ドルの素高値から測ったように低下をつづけてきた原油WTI先物が90ドル台の下の方まできた。大不況の需要減を予想するなら、下げの道半ばだ。いったん手仕舞うべきだが、さりとてジャブジャブの運用資金を原油以外のどこに探すというのだろう。とりあえず無利息あるいはそれに近い銀行口座に寝かせているファンドも多いだろう。金融不安にカタがついたら、再び米国債、あるいは半国営の住宅抵当2公社の債券にもどるようにも思うのだが、もう以前のように信用できないのも確かなことだ。


2008年9月16日 (火) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■2003年のこと

いま思いかえすと2003年というのは分かれ目の年であった。福井日銀総裁が誕生してすぐ、りそな銀行が自ら申し出て2兆円ちかい公的資金注入がおこなわれた。これを機に小泉ー竹中ラインの銀行整理政策が方向転換したのを確認して、日本経済は安堵したものだ。

良いこと(?)は続くもので、この夏猛烈な円高の嵐が襲ってきた。財務省・日銀は敢然とこれに立ち向かい、20兆円もの円売りドル買い介入をおこなった。日銀の非不胎化措置により市中に円がジャブジャブと流れだして、資産デフレがほぼ止まった。

結果的にエコノミスト・経済学者の間で長年論争の的であったインタゲ(リフレ)論争の市場実験が行われた恰好になり、根深いデフレ基調のもとでは、過剰な通貨が必ずしもインフレにつながらない例証となった。リフレ派が勝利宣言をしてもよい状況であったにもかかわらず、なぜか彼らの声は穏やかになり、反リフレ派は相変わらず黙殺をつづけた。

その詮議はともかくとして、今にいたるもジャブジャブ状態は続いているのだが、肝心の実需が上がってこない。原油値上がりによる物価上昇がいわれているが、どうやら一過性のインフレで終わりそうで、基調はいまもデフレ含みだ。不思議でもあり、まったく困ったことだ。

経済学者の野口悠紀雄さんの説(野口悠紀雄さんの「円高なくして成長なし(1)、(2)」)を筆者なりにかみくだけば、諸悪の根源は円安の継続にあるということ。5年間の円安経済で日本の産業が一息つけたのは良かったのだが、期間が長すぎた。もしこの間に逐次円高誘導が行われていれば、産業界に多少の軋轢は生じたかもしれないが、高付加価値企業の創生、産業の高度化がすすみ、日本経済があたらしい次元に一歩すすんでいた可能性が高い。ちょっと円高になると大騒ぎ、金利引き上げには常時反対というような産業界、証券市場とそれを支持した観のあるメディア業界はこれをどううけとめるのであろうか。

2008年9月14日 (日) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■原油価格低下の物語るもの(続)

前回書いたことは要するに、原油価格のバブル現象とサブプライムローン問題とはコインの裏表の関係にあるということだ。サブプライムローンがこのように悪性の問題になっていなければ原油バブルは起きなかった。昨年はみられたこのような見方がいつのまにか変わってしまい、原油バブル論の一人歩きとなったようだ。森永さんの所説もその延長線上にあると思う(違っていたらお許しを)。

とにかく今後原油価格が急落することがあったとしても、それはバブルの崩壊ではなく、サブプライム問題が完全に解決したということだ。

では、サブプライム問題の完全解決や如何。おそれずに言えば、このさき3年程度で予想される最善の解決は不備のいっぱい残る不完全解決にしかならないであろう。米政府は今大きく二つの局面で対応に苦慮しているのではないか。一つは、アメリカの住宅ローンの半分(サブプライムローンについては多分半分以上)に関与しているファニー、フレディ両社への公的資金注入の金額をいくばくにするか。二つめは損失計上をできるだけ小さくみせるため会計基準の裁量の限度をどれだけ広げられるか。

もちろん二つの局面は同時におしすすめられる。米財政金融当局は両社に対し、時価会計基準をできるだけゆるく適用して政府援助の額を少なくするように要求しているのではないかな。でもそれは問題の先送りでしかない。不完全解決といったのはそのことだ。

8月にはいってからの原油価格のおちつきをうけたためか、米経済とドルへの信任がすこし回復したようにみえる。かりに不景気がこの程度でとまってくれるなら、公的資金の注入はごくわずかなもので済む、場合によってはゼロかもしれない。当局者はそれを願っていることだろう。でも、日本の過去の経験からみても、アメリカ経済の停滞局面がいま程度でとまる可能性はひくいと見る。

なお、会計基準については、こちらのエントリが大変に参考になる。


2008年8月31日 (日) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■原油価格低下の物語るもの

オリンピックもおわり、あらためて世界の経済を見回してみると、原油バブルとサブプライムローンの問題が大きく国際経済にのしかかっているのに気づく。

まず、原油高騰については、エコノミストの森永さんが日経BPに書いた原油バブルは近いうちに必ず崩壊するがあちこちで引用されている。たしかに原油価格は一時の熱狂からやや落ち着きを取り戻しはじめたような状況にある。その様子はこちらの最後のチャートで、左肩の option を 1-week 200units に設定した過去3年分のWTI価格推移から確認できる。

それと同時にチャートは、永らく1バレル50〜70ドルにあったWTIがはっきり上昇しはじめたのは2007年4月頃だったことを物語る。一部にアメリカの地価の下落が目立つようになった頃である。目端のきく投機・投資資金はこの頃から投資対象を住宅抵当証券などから原油に移動していたのであろう。そして昨年8月になるとサブプライム問題が一気に噴出し、原油バブルがはじまった。

そこで問題はサブプライムローンのその後はどうなったかだ。昨年12月頃は当のアメリカ自身が損害の全体を把握できず、悲観一色であった。年末には既に全世界で1000億ドルの損失が発生し、最終的には4000億ドルに達しようとの見方があった。それが、このエントリ によると、この8月ですでに5000億ドルの損失が発生しているようだ。もちろん償却はすんでいると思う。

これは大変いよいよ金融恐慌になるかと心配が頭をよぎる。だが、以前にも書いたように総額で7000億ドルから1兆ドルの損失発生は覚悟していたはず。ときどき漏れてくるアメリカの財政・金融当局の対応策の進捗状況も加味するなら、この秋を正念場として事態は沈静化するようにも見える。問題は政府支援の住宅抵当関係金融機関のファニー・メイとフレディ・マックに対し政府がいつ、いくばくの公的資金を注入できるかだ。Dデイはちゃくちゃくと近づいている。私見では、原油チャートの落ち着きがサブプライムの進捗状況を映し出しているようにみえる。

参考までに、こちら とこちら の記事をあげておく。民主党寄りのニューヨーク・タイムズの忠告にもかかわらず、米政府はファニー、フレディ両社の株主も含めて救済するつもりのようだ。


2008年8月28日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■まずい方向に向きだした

内閣改造では思いのほか多い閣僚交代がみられたが、評論家・解説者の意見をまとめると、従来の「上げ潮派」vs「財政再建派」という構図が、今度は「バラマキ派」圧倒的優勢の図に変わるのだそうだ。ミスター消費税の与謝野さんなんかも当分発言を控えるらしい。小泉改革派の生き残り、上げ潮派は今度で息の根を止められたそうだ。

昨年の参院選で民主党の小沢さんが地方重視のバラマキ約束で沢山の得票をさらった時に、ちょっとまずいなと感じていた。安部内閣から福田内閣に変わっても人気回復が思うにまかせないことが明らかになったいま、自民党などがバラマキ政治の本家はウチだとばかりに巻き返しに転じるというのであろう。

バラマキと言っても、すべてが悪いとは考えない。生活困窮者など弱者に対する妥当な補助制度などは国の用意する財源が直接に本人に交付されるので問題は少ない。ところが政治家も国家公務員たちもこのようなバラマキには乗り気ではない。必ず中間段階の組織を媒介にして大型のバラマキをやろうとする、それがまずいと思うのだ。

なぜまずいかって? 日本中で見られる、まずい例を少しばかりみていただこう。
新福岡空港にみる財界人の駄目さ加減

本文だけでなく、コメント欄も読まれるとよい。80以上もあるコメントの真ん中あたりに、もと公務員と称する方の投稿がのっているのが、印象的だね

  □□(引用)□
まぁ、日本は後世、「土木工事を続けるためだけに、全てを失い転落していったオモシロ国家」として、世界史の教科書に載って、世界中の人々に勉強されることが確実ですからね。

私の田舎では政治とは土建業対策であり、政治家とは土建業であり、国民とは土建業のことでしたよ。

(元地方公務員・現会社員、2008/04/24)
  □□□

2008年8月 6日 (水) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■内閣改造

きのうの内閣改造について、ラジオのパーソナリティが「何だかボヤッとしてどう評していいのか分からない」と言っていた。今日の新聞もきっと似た論調でうまるだろう。政治的指導者が何をやってくれるのかを待つという図だ。

でも、この態度は根本的に間違っているように感じる。大切なのは「彼らが何をやってくれるか」ではなくて、「かれらに何をやらせるか」でしょうに。選挙民がこの国のオーナー/支配者なんだよ。

政治家の役目は、選挙民が何を求めているかを感じとり、プランをねり、公務員(パブリック・サービスマン)を使って実行にうつすことだ。政治家は指導者である必要はない。彼らに必須なのは有権者の目をみて中身を感じとる能力だ。

オーナーの目からみれば、内閣改造などというものは、一種の人事異動でしかない。政権交代だってちょっと大きな人事異動でしかない。だが、この「でしかない」人事異動は組織を若々しくたもつためにとても大切だな。

2008年8月 2日 (土) 経済・政治・国際 | 固定リンク


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■サブ・プライム・ローン問題、救済準備は整ったか

先週アメリカの住宅金融関連の公庫・公社(ファニーメイとフレディマック)の経営状態が悪化したことから、またまたサブ・プライム・ローン関連のことが金融・証券界を震わせた。この問題の深刻さにわれわれが気づかされてから早一年、どういうわけか新聞などにすっきりと事態を解説してくれる記事が少ない。経済調査専門の記者・デスクの奮起を期待したい。

筆者なりに今の状態をまとめてみると、こうだ。アメリカの住宅ローンの残高は約11兆ドル、うちサブ・プライム・ローンの変動金利部分(つまり焦げ付きやすい部分)は1兆ドル。この部分は時間がたつほど増えていく。他方、ファニーメイとフレディマックが関わっている住宅ローンは5兆ドル。この両社の発行する証券は全世界に広まっていて、最大の保有外国は中国37百億ドル、日本22百億ドルなど。さらに日本の中の内訳でみると、農林中央金庫5兆5千億円、三菱UFJ3兆円、みずほ1兆円、三井住友21百億円など。
(参考にさせていただいたサイトは次のとおり。http://pokemon.at.webry.info/200807/index.html#0715 、 http://critic5.exblog.jp/9087246/ )

一般に金融機関は、良質な債権は自己保有し、リスクのあるものほど外部に移転譲渡したがる。したがって、ファニー、フレディ両社のかかえる5兆ドルの中身は不良なものが多いはず。いやむしろ不良な債権を安く買って利ざやをかせぐのがこのところの本来業務だったとみてよかろう。一時期日本でさかんであったバルクセールまがいも常態化していたに違いない.今この両社の発行する証券の売れ行きがパタリととまっているらしい。

これをみて、いよいよアメリカ発の世界的な金融恐慌がおきるのではないかと半分期待をこめておどし記事を書く経済記者諸氏もいたのではないか。なかに信用売りに手をそめながら記事にした人もいたのではと勘ぐったりもする(ただの勘ぐりだから身近にそんな人がいるのではない)。

筆者はつぎのように見ている。両社はこの一年積極的に不良債権を購入してきたとすれば、うしろに財務省、FRBの強い意向があったに違いない。不良債権を腹一杯かかえて、これ以上無理という段階で、世界経済を救うという名分のもと米政府が公的資金を注入する算段であろう。全国に散在する有象無象の金融機関がバタバタと倒産するのを個別に救済するのは共和党政権にはやりにくい話だから、救済機関と時期を一本化するのが良策というもの。すくなくとも連銀・財務省すじでは合意はできているはず。あとは、石頭の共和党議会筋と能天気大統領をどう説得するかにかかっている。もうちょっとドル安と証券市場10000ドル以下の低落が起きないと踏み出せないだろうがね。

今年の早い段階で米政府による公的資金投入は必至と発言していた榊原氏は筋道を読んでいたかも。

[7月22日補記]
上記の記述に関しては、すでに 13日の米財務長官の声明 で2社救済が決定されたはずではないかと反論があるといけないので、補足しておく。声明は、財務省から2社への融資枠拡大、増資引き受け、およびFRBによる2社監督法制の強化の三点からなる緊急対策案について関係部署・議会が検討を行うという、あくまで今後の予定を明らかにしたもので決定したわけではない。アナウンスメント効果が主眼であったものと思われる。

2008年7月21日 (月) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■郵政選挙は新自由主義の勝利だったのか

今日も横道へ。
このところ「新自由主義」の旗色が悪いようだ。小泉ー竹中ラインの進めた政策の象徴は郵政民営化であったわけだが、それを含めてさまざまな分野での規制緩和や不良金融機関の整理統合などを識者たちは「新自由主義」と呼んできた。それがここ数年の格差・貧困問題の顕在化や派遣・請負の偽装事件さらには秋葉原大量殺人に代表される社会事件などを契機に急速に新自由主義の評価がさがっているのであろう。

ためしにウィキペディアで「新自由主義」をみてみると、市場原理主義などの言葉が踊っていて、市場信仰に支えられた極端な自由主義のように描かれている。弱肉強食の競争の結果少数の勝ち組と多数の負け組が生じる今の世相をよく説明しているようにみえる。ここまではわかる。

だが、この新自由主義にお墨付きを与えたのが三年まえの与党圧勝の総選挙であって、いまやその弊害があきらかになったのだから新自由主義的なもの全てを反古にして、なつかしい福祉国家の建設にむかうべきかとなると、すこし首をかしげざるをえない。選挙のとき有権者が示したのは、「官主導の郵政事業はノー」という判断であった。けして市場信仰でもなければ弱肉強食の競争でもなかったといえよう。

仮に半歩ゆずって、選挙民は新自由主義の跋扈をまねくことに薄々感づきながら、与党大勝の投票をおこなったとしても、その選挙民の判断を稚拙と嗤うことはできないのではないか。いささか図式的になるがこのことを座標になぞらえて考えてみたい。

選挙民の判断を左右する軸はじつは二本あった。一つは横軸で、富の分配について完全に均等を良とする最左翼から、働き・能力・成果に比例した分配制度を良とする最右翼まで横一線にならんでいる。もう一つの縦軸は経済の運営をできるだけ中央集権的に行うとする計画派を最北にすえ、司法・立法、それから行政のうち警察・軍事・外交など、どうしても民になじまない分野を除いた残りの行政はできるだけ民間的な手続きで対処すべしとする民営派を最南端におく。この軸が選挙民に意識されるようになったのは比較的最近のことだ。

三年まえの有権者は横方向の移動は念頭になく、とにかく南下したかったのだろう。ところがその判断をねじまげ横方向それも東の方向へ引っぱる勢力があったというべきだろう。そして今は反対に西方向に引っぱると見せかけて、いつの間にか北へ向かう経路に国を導きたい勢力が台頭してきたように感じられる。

いま必要なのは、南北の移動はさておき、ともかく西の方向に着実な一歩二歩をすすめることではないかな。与党の一部で検討されている派遣法の見直しなどはその小さな一歩といえるだろし、もっと広く最低賃金法の大幅引き上げなどもあるのではないか。とにかく人々には油断なきようお願いしたいものだ。

2008年7月 9日 (水) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■PT=MV の思考実験

数日まえ今の原油相場をバブルと見て、それが当分続くとするエントリを書いた。そのことをもう少し詳しく検討したい。

PT = MV ---(1)
とは有名なフィッシャーの交換方程式だ。4つの変数は、P:価格、T:取引量、M:流通貨幣量、V:貨幣の流通速度 である(金融用語辞典)。交換方程式と呼ばれるが、事後的には常に成立するので恒等式である。

この式を改変して、
Py = MV ---(2)
という式もある。この場合、P:価格、y:実質国民所得、M:流通貨幣量、V:貨幣の所得速度とされる。前の式との違いは後者にはストック(財産)の概念がうすく、もっぱらフロー概念で経済を考えていることである。戦後60年というもの、人々の意識はこちらの式にそそがれ、ケインズ派と新古典派の考えの違いもこの式から説明されたりした。

しかし、現在のようにオイルマネーその他があらゆるストック・財産を対象に地球規模で徘徊する状況では、ふたたび前の式に戻る必要がありはしないか。そこで、前の式そのままではなく、次の式を考える。

P1×T1 + P2×T2 = M×V ---(3)

ここに、P1:ストックの価格、T1:ストックの取引量、P2:フローの財・サービスの価格、T2:フロー財・サービスの取引量、M:流通貨幣量、V:貨幣の流通速度 である。

歴史的にみて、P1×T1 と P2×T2 の比にはある程度の傾向値があったであろう。ところが今は、前項の P1×T1 が異常に大きくなっているのではないか。もちろん勝手に大きくなったのではない。それに見合う右辺 M×V の増大があったのだ。原因は何か。大きなものを思いつくままに挙げれば、戦後の世界経済を牽引した各国財政の大判振る舞い、低金利政策、アメリカその他の軍事費の増大、とりわけ最近のアフガン・イラクでの軍事支出、もう一つ言えばアメリカのサブプライム・ローンに代表される借金経済化の放置、などだ。

今後(3)式はどのように推移すであろうか。すくなくとも今の熱狂が冷めるにともない右辺 M×V は V を主体に低下するだろう。その場合問題は左辺の第1項主体に沈静化が進むのか、逆に第2項が縮小あるいは停滞してしまうかだ。心配性の人が口にするスタグフレーション(不景気下のインフレ)の危険性は大きいかもしれない。フローの経済を引っ張る新製品、新技術、新機軸がまたれるところだ。ともかく野放しの自由主義経済一辺倒ではうまく乗りきれないような気がする。

2008年7月 8日 (火) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■原油バブル


原油のWTI価格が1バレル140ドル水準のとんでもない高値がつづいている。これと日本でのガソリン価格1リットル170円というのがどういう関係になるか考えた。

WTI とは、West Texas Intermediate。アメリカのテキサス州でとれる硫黄分の少ない上質原油だそうだ。他方日本が中東から輸入する代表銘柄はドバイ原油。こちらは硫黄が多くふくまれていて、WTIよりはだいぶん安い。仮に1バレル100ドルとすると、1KL当たりでは600ドル以上か。ということはおおまかにみて、1リットル70円ぐらいといえようか。これを石油精製メーカーがコストをかけ、その上質部分をガソリンとして、悪名高き揮発油税を上乗せして市中に出す。1リットル170円は計算上は合う話のようだ。

さてこれがどこまで上がるのか、参考までにWTIの最近の価格推移を こちら でみてみよう。素人には何ともわからないね。

昨夜のTBSラジオの番組で、経済評論家・学者の森永卓氏が番組テーマの原油対策に関連して興味あることを披瀝していた。骨子は、
1.今回の原油高騰は歴史上何度も起きてきたバブルだ、
2.バブルの渦中ではバブルはよく分からないが、高名な経済学者であった故ガルブレイスによれば、バブルは後からふりかえると必ず崩壊している、
3.今回のバブルがいつ崩壊するかの予想はむずかしいが、一つの可能性をいえば、ブッシュ大統領退任の頃があげられるのではないか。
ーーーーーーーーというものであった。

たしかに、中国・インドなど新興国からの原油に対する実需圧力は大きいとしても、最大の消費国アメリカの経済減速がはっきりしてきた現在、原油価格の上昇継続は如何にも不自然ではある。いずれかの段階で価格が下げ相場に転じるのは充分予想できることだ。

しかし世間でいわれるように、アメリカをはじめ世界の経済・株式市場の基調が下降にむかう今、地球的な規模でジャブジャブのマネーがどこに向かうかというと、どうしても原油市場をはずせないのだから、この現象を投機といおうがバブルと呼ぼうが相当長期間継続するとみることができよう。少なくともあと半年で終わるとは考えにくい。

森永氏、司会者にコメントを求められ、あえてわかりやすい時期を例示したにすぎないか。

2008年7月 3日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)



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■タイムラグ

新銀行東京の杜撰な経営ぶりがあきらかになっている。今朝のテレビ番組によれば、そもそもこの銀行が構想されたのは、2003年金融機関の倒産が心配された時期で、各機関が貸し渋り・貸しはがしに奔走した頃であったという。
ところが実際に営業をはじめたのは2年後の経済環境が急速に立ち直った時期で、新銀行の営業は一般の金融機関が良質な貸付先に資金を供給し始めたのとぶつかるハメになった。いきおい取り残された取引先がおもな貸し付け対象にならざるをえなかくなり今日の事態をまねいたとのことだ。

一種のタイムラグの落とし穴にひかかったといえるだろう。にたようなことは先日かいた内閣や日銀総裁の順番でもおきる。事態の根本原因に気づくのがおくれ、やっと実施した対策の効果があらわれるのにさらに時間が経過する。自動車教習所でおそわるブレーキのタイムラグと同根の話だ。

突然だがこの種のタイムラグの弊害で最大のものは「ゆとり教育」であったのではないか。過当な受験競争の弊害をさけるための対策が今度は別の分野に一層おおきな弊害をもたらしてしまった。これについては別の機会に書くとしよう。

2008年3月11日 (火) 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■日銀総裁のことなど

日銀総裁人事がどうなることかと関係者は気をもんでいるようだが、いま書きたいのはそのことではない。

首相とか日銀総裁などの重要ポストの人事交代は、あとからみると、順序が逆であったらよかったのにと思うことが少なくない。たとえば田中内閣と福田内閣の順番だ。沖縄返還を花道に退陣した佐藤内閣は長い好況(いざなぎ景気?)の時代であった。伸びきった経済であったのに、あとに座った田中内閣が列島改造論を全開、金権政治とよばれるほどの積極的経済運営をおこなった。そのあと三木、福田と内閣は引き継がれたが、二つの石油危機にはさまれた不況の時代に世論が期待した経済拡大政策はとられなかったと記憶する。あの場合先に福田内閣、三木内閣ときて、低成長入りの昭和50年代に田中内閣の積極策が実行されたらよかった。その後の政治家たちの倫理観の堕落もあれほどではなかったであろう。

日銀総裁の順番でも似た現象がみられる。1985年プラザ合意当時は旧大蔵省出身の澄田総裁であったが、内需停滞をおそれて超金融緩和をつづけ、株、不動産、果てはゴルフ会員権にいたるバブル現象に気づくのがおくれた。そしてその後に総裁の椅子に座ったのは日銀プロパの三重野氏だ。副総裁時代にいらいらしながらバブルの進行をみていたのか、電光石火に金融引締め路線に舵をきり、今度は物価上昇ばかりに気をとられ内需の極端な冷え込みの実態に気づくのが遅れた。この場合も三重野氏、澄田氏の順に担当するとよかったのではと思い出す。育った組織のDNAの存在を思わずにはいられない。

現在の経済の局面は景気後退の入り口だ。むかしとちがって、経済を上向かせる新機軸がそう簡単にみつかるわけではない。新総裁には組織のDNAを脱ぎすてて、臨機応変な金融の運営を期待するばかりだ。

2008年3月 6日 (木) 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■サブプライム・ローンのことなど

福田内閣の支持率も東証の株価指数もいよいよいけなくなってきた。株価のほうはバーナンキFRB議長のきわどい発言がショックとなったものとのことだが、下地として日本経済がどうやら景気下降局面いりした、あるいは牽引役の輸出の見通しが不透明なことから、近々そうなるとの観測が主流となっているのであろう。この5年以上のあいだ景気は順調に拡大基調にあるとは毎度の政府の判断であったが、とうとう好景気の実感を国民全体に行き渡らせることはできなかった。だが、そのことはさておく。

今日の毎日新聞電子版にサブプライムローンの損失はこれまでに総額2千億ドル、うち半分がアメリカ、750億ドルがヨーロッパ、のこり250億ドルはカナダその他との予想が米国財務省から発表されたとでている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080304-00000024-mai-bus_all

巷間いわれる総額4~5千億ドルの損失とも符合する金額のようにも思われるが、勉強をかね別の角度からこの金額をながめてみる。

米国の世帯数を約1億世帯とみると、下流世帯の数はどれほどであろうか。長期の景気拡大で富裕化がすすんだとの報道もあったから、仮に4千万世帯とし、その10~15%の4~6百万万世帯がサブプライムローンによって家を新築したとしよう。一戸あたりの新規借り入れ額は日本の同クラスの家計とそれほど違わないとし、これも仮に25万ドルとみなそう。とすると、総額1兆~1兆5千億ドルとなる。これは、2005年の残高6250億ドル(竹森俊平著「1997年世界をかえた金融危機」p.233)からみるとやや過大な感じだが、一方サブプライム融資残高1兆5~6千億ドルとの記事を目にしたことがあるので概数として仮定しておく。

さて、問題はどれだけが焦げ付くかだが、担保価値でまず30%は回収できるとして、のこり70%とすると、実に7千億ドルから1兆ドルあたりが最大の損失額になるのかもしれない。

この予想金額をみて、じつは筆者はやや安心をしている。日本と違い米国は基調的にインフレ率が高いから、担保による回収は改善する可能性が高い。また、昨年来のFRBの早い対応にも安心感がもてる。もちろんプライムの住宅貸付に累が及ぶこともないわけではないし、今年中は毎度のように悪いニュースが世界をかけめぐるであろうが、最悪としても1兆ドル程度の損失で世界経済が大混乱になるとはおもわない。いずれにしても今年注視しなくてはならないことではある。

2008年3月 4日 (火) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)



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■食料自給率から逆算、食料の廃棄割合を求める

一般にカロリー・ベースの自給率は、国産および輸入食料合計の熱量に対する国産食料の熱量として計算するらしい。この分子分母には食べ残し・廃棄された分の熱量が含まれるのでそれを考慮したらどうなるのか、と検索してみたら面白いサイトを発見した。
http://mozaic.lolipop.jp/archives/389

2004年秋に農水省が発表した数値を紹介したエントリのようだが、これによると分母から廃棄分を控除して自給率を計算すると56%になるという。事実を明確にするために廃棄分の割合を計算してみよう。

まず、国内分をx、輸入分をy、廃棄分をzとすると、
x / (x + y - z) = 0.56 ーーー(1)
すでに知られているように
x / (x + y) = 0.40 ----(2)

ここで仮に国産・輸入食料ともそのα%が廃棄されているとすると
z = α(x + y) ーーーー(3)

(3)式を(1)式に代入すると
x / (1 - α) (x + y) = 0.56 ーーー(4)

(4)式を変形して
1 - α = x / 0.56 (x + y) = (1 / 0.56 )(x / (x + y)) ーーー(5)

(5)式に(2)式を代入して
1 - α = 0.4 / 0.56 = 5/7

つまり、廃棄分の熱量は国産・輸入あわせて、3割近いことがわかる。

夜の繁華街の廃棄物の多さから想像するに、実際には輸入食糧の廃棄分は3割以上ではないか。まったくもって飽食の時代とはよく言ったものだ。この無駄な輸入を減らすために、この度の食の安全見直し騒動がうまく絡むとよいのだが。

それにしても、国の中にはとっくの昔に無駄を排除して、カツカツの生活を余儀なくされている人たちがいることも忘れてはならない。

2008年3月 2日 (日) 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■食糧問題<食料問題<食品問題

中国公安省の記者会見にはおどろいたが、一種の外交問題になってしまったから、もう水掛論だな。事件発生の原因はウヤムヤになるしかあるまい。だが、どうなろうとこちら消費者の賢明な選択は、当分それも相当ながく中国で加工された食品はどんなにやすくても敬遠する、ことになるだろう。この事件は食べ物について再検討する良い機会になったのではないか。

従来食料の自給率が40%を切ったと問題にされてきたが、これはカロリー・ベースでそうなのであって、価額ベースではまだ60%以上とされる。しかも自給率をさけんでいるのは主に食糧に関係、あるいわ関心のある人たちのようだ。つまり主食の米・麦など食糧に携わる人たちだ。

これに対し最近の農政の方向は食糧から食料に変わりつつあるようにみえる。食生活における主食の比重が低下しているからだろう。これまで「おかず」とされてきた肉・魚・野菜などが主食と同じ位置に上がってきたわけだ。

しかし、この度のギョーザの問題は、食生活が外国からの加工食品といういわば盲点に大きく依存していたことを明らかにした。一円でも安い加工食品を求めてきた消費者は痛いしっぺ返しをうけたことになる。これを機に消費者は食の安全を見直すことになるだろう。

表題で、「食糧問題<食料問題<食品問題」 と書いたが、「<」はこの不等号の左よりも右が重要視されるという予想である。

2008年2月29日 (金) 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


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■中国製加工食品のことなど

農薬汚染のギョーザが問題になったとき、まず気になったのは天洋食品とはどんな会社なのかということであった。いろいろの報道も、いきとどかなかったのか、そのことを避けていたのか、いまもってよくわからない。どうやら、その製品の殆どが日本向けに輸出される製造会社らしいとは想像できるのだが、、、、、。

そしたらまたぞろ残留農薬入りの中国製食品がでてきたという。こんどの会社は○○二木食品とか。この二木も先般の天洋も何となく日本的な命名に感じる。要するに、両社とも日系の会社ということなのではないか。バブル以前ならば日本国内で行った製造過程を人件費の安い中国に移したものではないのか。そうみてくると、中国検疫当局のゆったりした対応も合点がいく。製品は中国内には出回らないのであろう。

きけば天洋では予ねて労務問題があったらしい。それが何らかの関係があるのではないかとは報道関係からも匂ってくる。ことは単純な労務というよりは国際的な経営問題に容易に転化する類の事件だ。報道の及び腰もむべなるかなとの感想だ。

昨夜の重慶におけるサッカーの試合からも両国の微妙な関係がうかがえる。

2008年2月21日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

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